カープ通訳「Kimi」が明かすキーマンの素顔とは 【カープ道】
今回の広島ホームテレビ『カープ道』は、カープ通訳の西村公良(きみよし)さんが登場。助っ人選手の素顔や、エールを送る時のとっておきの英語フレーズなどを披露してもらう。
外国人選手からは、名前の“公良”から親しみを込めて“Kimi”と呼ばれる西村さん。2004年にカープの通訳に就任してから、外国人監督や選手を公私ともにサポートしている。現在通訳は、西村さんと、松長洋文さん、主に二軍を担当する佐々木大地さんの3人。担当選手は決まっていない。業務は、外国人選手が球場に入ってからの野球に関しての通訳とされるが、選手の来日前にバットやグローブなどの用具を春のキャンプに向けてオーダーするのも仕事だという。
カープの助っ人選手について、「R.マクブルーム、D.アンダーソン、N.ターリーと、昨年は久しぶりに優等生3人集まったというくらい、外国人の通訳としては、やりやすい年だった」と言い、今年も引き続き、3選手の活躍に期待する。
昨年はカープ打線を牽引したR.マクブルーム選手。「“ライアン”とファーストネームで呼んでいる。来日して初めて食事に連れて行ってくれたのが西川龍馬で、仲良くしている。その食事が焼肉で、生の馬肉のユッケに驚いた様子で、大嫌いではないが、今後馬肉の時は教えてくれと言っていた」と振り返る。
西村さんがR.マクブルーム選手の昨年の名シーンに選ぶのが、7月2日の巨人戦。両チーム無得点で迎えた9回裏に、サヨナラとなる2ランHRを放った試合だ。「ヒーローインタビューでは、Thank you! 暑い!といいながら興奮冷めやらぬ感じだったが、その後、あまりお立ち台が好きじゃない。ナーバスになる。何を言っていいかわからなくなると言っていた」と明かす。R.マクブルーム選手の強みは「フォアボールをしっかり選べる。ボール球に手を出さないことろが良いところ」と付け加えた。
“アンディ”と呼んでいるというD.アンダーソン投手の名シーンは、昨年5月5日の来日初登板となる試合。巨人を相手に7回を1安打7奪三振で、初陣を飾った。「真面目で、やるべきことをしっかりやってくれる。性格良いし、イライラしない。怒りを表に出さない、すごい外国人がやって来たと思った」という。
ファンの心を鷲掴みしたのが、ヒーローインタビューでの「カープのファンが一番じゃけぇ」の一言。日本語で何か言いたいというD.アンダーソン投手のために、松長通訳が考えたという。「2004年に先発で活躍したジョン・ベイルが“カープのファンが一番じゃけぇね”と言ったことがあったので気にしていたが、ファンの心を掴むためにコレで行こう、ということになった」と話す。
真面目に日本語を勉強し、お好み焼き店に何軒も通っているらしい。観光も好きで、佐々木通訳と廿日市市・宮島の弥山に登頂したという。また「総じて外国人選手は長野久義と仲が良かった。アンディが体調を崩し、三軍から二軍で登板を始めた頃、長野も二軍にいて、可愛がってもらったらしい」とも。
N.ターリー投手については「一番落ち着いている。名シーンは、5月11日の阪神戦。7回2アウト満塁のピンチを、3球で勝負を決めて好救援した試合。よっしゃーと、その時ばかりはテンションMAXだった」と話す。
インタビューに答える選手のお得意のフレーズを聞くと、ピッチャーへの「何を考えて投げていたのか?」という質問に対してはこちら。「You cannot control balls&strikes.=ボールかストライクかは審判のジャッジにゆだねるしかない」。「You control what you can control.=自分ができることはコントロールする」。「Trusting my guys playing behind me.=野手を信頼して投げていた」。
また、選手を応援するのは「Let’s go! Come on! =さあ行け!」。そして「Atta boy! (That’s boy!)=よくやった」と、ベンチからもよく飛ぶ激励のフレーズ。二つの覚えておくべきフレーズも伝授した。
広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 1月18日放送
ライター 湯谷葉子