電気代高騰の冬 年間1万5千円も節約!その方法は?【地球派宣言】
寒さが日に日に厳しくなっていますが、実は12月1日から、冬季としては7年ぶりに節電が要請されています。今年の冬も厳しい電力需給が予想されているためです。そこで今回は、国が認定する省エネの専門家、「うちエコ診断士」の高石真悟(たかいし・しんご)さんに家庭での節電方法を教えてもらいました。
「うちエコ診断士」高石真悟さんリポーターの藤原あずささんが訪ねたのは広島市安佐南区に住む吉田依未(よしだ・えみ)さんのお宅。夫と子どもの6人で2階建ての一軒家に住んでいます。自宅横で写真スタジオを営んでいるため、昼間もよく電気を使うといいます。
藤原あずさリポーター(左)・吉田依未さん(右)吉田家の電気代は月2~3万円くらい。
高石さんによると「実は去年から少しずつ電気代が上がっていて、オール電化の場合、1年半ぐらいの間に昼間は約1.5倍、深夜の電気代は倍になっている」そうです。
それを聞いた吉田さん、「夜は電気代が安いと思い、夜のうちに洗濯機で乾燥までしていた」と驚きの様子。
吉田依未さん少しでも電気代を下げることができるのでしょうか。
高石さんは、「家庭で電気代がかかるのは、エアコン、冷蔵庫、給湯の3つで電気代の約半分を占めるので、この3つさえ抑えればだいぶ下がる」といいます。
家庭における電気の使用割合(グラフ)まずはエアコン、高石さんはフィルターに着目しました。吉田家ではフィルターは夫が年に1回掃除しているそうで、掃除からずいぶん時間が経っているとのこと。フィルターを外してみてみると穴にはほこりが・・・。
エアコンのフィルターでは、どのくらいの頻度で掃除するのがいいのでしょうか。高石さんによると「2週間に1回か1カ月に1回」と驚きの答えが。詰まった汚れをしっかりとればエアコンの効率が上がり、無駄な電力を使わなくてすむそうで実践すると「年間860円の節電」になると聞き、さらにビックリ。
高石さんの試算に驚く2人ただ、盲点もあるようで・・・。 せっかく部屋の空気を暖めても、実は窓から熱の半分が逃げていっているそう。そこで、断熱シートを窓に貼ると熱が外に逃げにくくなるほか、上にたまりがちな暖かい空気をサーキュレーターなどで循環させるのも効果的。エアコンの熱を無駄なく活用すれば設定温度をあげなくてもすみます。高石さんによると温度を1度下げると1430円節電になるのだそう。
断熱シート続いて3人が向かったのは、お風呂場。電気を使っているように見えませんが・・・。オール電化の家は電気温水器で夜中にタンクにお湯を作っているので、電気を消費しています。
風呂場ここでの節電ポイントは、シャワー。最近、1人でお風呂に入る娘さんの長風呂に困っているという吉田さん。高石さんによると、シャワーを15分出しっぱなしにしていると浴槽一杯分(約180リットル)のお湯を消費するそうです。
節電ポイントはシャワー大量のお湯を使えば、当然沸かすための電気が必要になります。シャワーなどの水の量を減らすことで節電にも節水にもつながるんです。また少ない水でも水圧を感じられる節水型シャワーヘッドに交換すれば、水の量を3割ほど減らすことができるそうです。
節水型シャワーヘッドさらに、24時間稼働する冷蔵庫は設定を「強」から「中」に変更し、本体を壁から離して設置すると、電気料金を下げることができるそうです。ちょっとした工夫で節電できるという高石さん。その効果を高石さんに試算してもらうと・・・。「年間1万5800円は節電できる」という驚きの結果が出ました。
効果を試算する高石さん最も効果があったのは、給湯でシャワーなどの出しっぱなしをやめて使用量を3分の1に減らせば9000円安くなると試算。
給湯の試算結果エアコンはフィルターの掃除などで2千円以上。
エアコンの試算結果冷蔵庫も年間4500円以上下げることができるといいます。
冷蔵庫の試算結果結果を見た吉田さんは、「結構電気をつけっぱなしにしてしまうのでなるべくすぐ切ることを心がけようと思う」といいます。高石さんは「節電というとすごく我慢するみたいなイメージがあるが、ちょっとの工夫やこまめにやったりすることで快適さはそのまま変えずに節電していくということが長く続けるコツ」と話しました。電力需給が厳しくなるこれからの時期。そして燃料費の高騰などで、値上がりを続ける電気料金。消費者が賢く電気使用量を抑える(ディマンドリスポンス)重要性が高まっています。
試算結果を聞く吉田さんと藤原リポーター