勝負強い打撃でカープを救う秋山翔吾 激しさを増す上位争いへの決意
「上をまだ狙える順位にいるし、勝ちが積み重なって行くように、最後まで粘り強く踏ん張って、やり切りたいと思う」。そう力強く語るのは、不動の3番としてチームを支える秋山翔吾選手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、カープへの電撃入団から、およそ1ヶ月半が経つ秋山選手をフカボリ。上位進出へのキーマンとしての思いに迫る。
※データはすべて8月20日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
7月8日の中日戦から一軍に合流すると、その試合でいきなり2安打。秋山は、3番に座り続け、8月6日にはサヨナラヒットを放つなど、チームに欠かせない存在となっている。翌8月7日には、日米通算1500本安打を達成、カープファンから祝福を受けた。
一軍合流からの1ヶ月半を振り返ると、「マツダスタジアムのデビューは“すごいこと”になったが、チームの人たちにカバーしてもらいながら、ここまで来ているなという感じ」だと言う。“すごいこと”とは、7月12日のマツダスタジアムでのデビュー戦。大歓声の中、迎えた第1打席はアウトコースいっぱいのストレートを見逃し三振。第2打席、第3打席も三振。そしてこの日の第4打席も三振と、プロ入り初の4打席連続三振と悔しい結果となった。
「ヒットが出ない時期というのは苦しいし、どんな形でも一本ヒットのランプがつくだけで、精神的に優位になるというか、前向きになれるところもあったりする」と明かす。次の1本が出るまで不安と戦う中、7月14日、マツダスタジアムでの最初のヒットが印象に残っているという。「早く1本、まずここでファンの方に見てもらいたいところもあった。ケースも含め、前2日間の精神的やられ具合。4試合くらい打っていなかったので、そういう意味ではあそこで少し・・・。またここからという感じはあった」と振り返る。
このヒットをきっかけに調子を上げた秋山は、ここまで31試合に出場し、打率.310。得点圏打率は4割越えと、打線を牽引している。そして秋山がチームに与える影響はプレーだけではない。若鯉たちと会話する姿も頻繁に見える。技術的なことは聞かれたら答えるが、どちらかというと自身の試合経験から会得している感覚的なものを助言しているという。
カープについては「僕が西武で(試合後に練習していたと)記事になったりしたこともあったが、あの練習なんか大したことなくて、(カープでは)毎日同じようなことを、若い選手もそうだし、試合に出ているような選手も日常化しているというか、やるのが当たり前という空気がある。すごく土壌がいいチームだなと感じている」と話す。熾烈な争いが続くセ・リーグ。上位進出へのキーマン・秋山が今後もチームを引っ張っていってくれるに違いない
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 8月20日放送
ライター 湯谷葉子