ホームテレビ女性アナウンサー・リレーコラム 「私の夏」坪山奏子編
ホームテレビアナウンサーの坪山奏子です。
アナウンサーによるリレーコラム、今回のテーマは「夏と言えば」です。
真夏の広島が迎えるもの・・・それは
8月6日 原爆の日。
今年も朝、平和学習のため登校する子供たちを見送って、平和公園に向かいました。
今年は5up特別番組の中で平和公園からの中継リポートを担当。
決められた時間の中で、今起きていること、映像だけではわからない空気感、伝えるべきこと、伝えたいことなどを、適切な言葉でつむぐ。
経験を重ねても、難しすぎる課題です。
炎天下の平和公園で取材に奔走しました。
訪れた人から聞かれたのは、被爆2世、3世の深甚なる慰霊の気持ち、ウクライナ侵攻で浮かび上がった核の脅威に募る不安。
「今年は、平和が当たり前ではないことに改めて気づいて、きょうこの場所を訪れた人が多いように感じます。」
この一言に込めました。
2回目の中継では、母国ウクライナを支援するためチャリティーコンサートを続けている、平石エレナさんと息子でバイオリニストの英心さんにインタビュー。
広島とウクライナを結ぶお2人ウクライナに残るエレナさんのご家族や友人たちは、戦争の現実におびえながらも、生きるために前を向いて生活しているそうです。侵攻が長期化するにつれ、届く情報も少なくなってきていますが、私たちは心を寄せ続けなくていけません。
8月6日 シャレオの地下広場で被爆バイオリンを演奏「音楽は国境を越えられると思う」と語った15歳の少年が、自身のルーツである広島とウクライナを想い奏でる音色、その澄み切った美しさには心が洗われました。
原爆ドームから見上げる青空と、ウクライナの美しい街並みを思わせる調べ。これからも多くの人の胸を打つことでしょう。
この日を終えて。
幼いころから、今の広島の日常が、数多の犠牲と先人たちの砕身の上にあることを教わってきました。
その事実を背負い
核兵器がある限り平和ではない
過ちを繰り返してはいけないと
これからも次世代に伝え続ける責務を担う一人でありたいと思います。