【高校野球広島大会】決勝は48年ぶり甲子園目指す盈進vs初制覇狙う尾道
熱戦が続く夏の高校野球広島大会、決勝の組み合わせは盈進vs尾道に決まった。
きょう尾道市のぶんちゃんしまなみ球場で行われた準決勝戦から両チームの勝ち上がりを分析する。
第1試合 盈進投手陣が完封リレー 10年ぶり決勝
第1試合、33年ぶりの甲子園をめざす近大福山と、48年ぶりの頂点を目指す盈進の福山勢対決を制したのは盈進だった。2回表、ノーアウト2塁3塁のチャンスから6番中島の犠牲フライで先制点を奪うと、続く7番奥信にもタイムリーが生まれ試合の主導権を握る。
盈進が2回表に2点を先制する5回には3番秋田、4番杉浦の連続タイムリーなどでさらに3点を加え近大福山を突き放す。投げては、エース向井が6回被安打3の無失点ピッチング。後を受けた2番手寺田も3回無失点の完封リレーで福山勢対決を制した。この2人の好投に盈進・佐藤監督も「初回から向井がしっかりゲームを作って6回まできっちり投げてくれて、寺田も期待以上のピッチングだった」と二人を労った。
盈進・向井敗れた近大福山は、ランナーは出すもののホームが遠く準決勝敗退となった。ただ、観客を沸かす好守を連発。さらに、リリーフ登板した1年生投手の出口・石田がそろって無失点。1年生で準決勝のマウンドを踏めたことは今後の大きな財産となるはずだ。
粘りの守備を見せた近大福山
第2試合 尾道 エース坂本が132球の熱投で決勝へ導く
第2試合は、甲子園初出場を目指す尾道と、春夏連続出場を狙う広島商の一戦。1回、尾道が3番エース坂本のタイムリースリーベースでいきなり先制点を奪うと、6番山中と8番井上にもタイムリーが飛び出し、一気に3点を先制し主導権を握る。尾道は2回にも追加点を奪いペースをつかんでいく。反撃したい広島商だが、好投手坂本の前に6回まで犠牲フライの1点のみと、反撃の糸口をつかめないまま試合は終盤へ。
投打で活躍した尾道・坂本
4-1の9回、広島商は2アウトから連続フォアボールで1塁2塁のチャンスを作るものの、7番佐々木がショートゴロに倒れ試合終了。センバツ後の春の県大会1回戦でも尾道に敗れており、リベンジとはならなかった。
広島商は春夏連続での甲子園とはならなかった尾道・北須賀監督は「坂本のピッチングに尽きる。それでみんながバックでしっかり守ってチャンスをものにするという尾道らしい野球ができている。広島商からは私が尾道の監督に就任してから夏の大会は6連敗中で今回が初勝利なので感慨深い」と母校からの夏初勝利に頬を緩めた。山中主将は「昨年の夏は盈進に負けて、その盈進と決勝でやれるということなのでとにかく全員でやるという意識で戦っていく。目標は優勝です」と力強く意気込みを語った。
これで決勝戦は、48年ぶり3度目を狙う盈進と、初めての甲子園を懸けて戦う尾道となった。決勝で両校が顔を合わせるのは初めて。盈進・向井、尾道・坂本を両チームがどう打ち崩すか。注目の決勝戦はあす10時プレイボールの予定だ。
ひろしまリード編集部