広島・宮島名物「あなごめし」明治34年創業の老舗|あなごめし うえの(廿日市市)
広島であなごめしと言えば「うえの」ですよね。宮島口の名物駅弁「あなごめし」発祥のお店です。明治34年の創業から、味を守り続けたタレ、厳選に厳選を重ねた穴子、秘伝の出汁で炊き上げたご飯が絶妙に絡むあなごめしをご紹介します。
あなごめし うえの 外観
明治34年創業の老舗「うえの」
あなごめし弁当 2,160円創業は明治34年、「宮嶋駅(現在の宮島駅)」の駅弁として販売を始めた、うえののあなごめし。広島でも有数の老舗店です。昭和54年に現社長の上野純一さんが家業を継いだ頃、駅弁ブームが到来。うえののあなごめし弁当も、それまで以上に脚光を浴びるようになりました。
そんな時、実家の蔵を整理していた際に、昔使っていた駅弁の包装紙を大量に発見。それはレトロながらも、現代のデザインにも通ずるものでした。上野さんはこれを見つけた時に、これだ!と確信して鳥肌が立ったそうです。この包装紙のデザインが、現在のお弁当に使用している包装紙のデザインになっています。
包装紙のデザインまた、うえののあなごめしの味を左右する、一番大切なポイントは、質の良い穴子を仕入れられるかどうかだと、上野さんは教えてくれました。通常の飲食店では、穴子は煮たり蒸したりして調理するのが一般的ですが、うえのの穴子は焼いて調理しています。シンプルな調理法だからこそ、脂の乗った質の良い穴子を仕入れなければ、すぐに味に影響するそうです。素材の味に自信があるからこそ、焼きという調理法にこだわっています。
あなごめし「うえの」のランチ
うえのの穴子は3回焼かれています。そうすることで、少なからず焦げることになるのですが、香ばしさが増してタレも絡みやすくなるんだそうです。
お弁当のイメージが強い、うえののあなごめしですが、お店の中でもいただくことができます。出来立てはお弁当とはまた違ったおいしさを感じられますよ。
「うえの」ランチメニュー
穴子の白焼
穴子の白焼 1,300円厳選に厳選を重ねて仕入れた穴子の中から、白焼は素材本来の味がより感じられるため、さらに良いものを選んでいます。わさびとお塩をつけていただくのですが、皮がパリパリで穴子の旨味がとても良く感じられました。正直、今まで食べてきた、どの穴子よりも脂が乗っていて、感動するおいしさでした。
あなごめし
あなごめし(上) 2,250円お待ちかねの「あなごめし」は上をオーダーしました。上は3列分の穴子が敷き詰められていましたが、小と特上はそれぞれ1列分ずつ量が変わるそうです。お米の量は特上は同じで、小は少なくなります。
厳選している穴子だけあって、噛めば口いっぱいに旨味が広がります。タレは創業時の味が守られ、穴子の骨から出汁をとっているんだそうです。また、出汁で炊き上げているというご飯は茶色く色づいています。タレやご飯にも穴子の骨を活用していることからも、仕入れは妥協できないという訳です。ご飯は粘りが強く、もちもちとした食感が特徴で、出汁の風味が穴子と良く合います。
また、あなごめしにはお漬物とお味噌汁がセットで付いてきますよ。
そんなこだわりの穴子も、あなごめしに使うかどうかは、最終的に焼いている職人さんが判断しているんだそうです。使われなかった穴子は別の料理や、切り落としとして販売されています。何層にもフィルターを通して選ばれている穴子、これはおいしい訳です。
創業以来の歴史を絶やさぬように
お客様がずっと「おいしい」と言ってくれることを目指したいと語る上野さん。かつて、事業を拡大する中で多くの穴子が必要になりました。漁獲量が少ない年に仕方なく、うえのの基準に少しだけ満たない穴子を仕入れたことがあり、舌の肥えたお客様に指摘を受けたという経験があります。この経験が、今のうえのの味を守ることにつながっています。うえのは今も多くの百貨店などから出店の依頼が絶えないそうです。それでも事業規模を拡大しないのは、先ほどの教訓から。うえのの基準を満たす穴子を常に提供できるのは、現状の店舗数が最大だそうです。
厳選して良い穴子を仕入れ、シンプルに焼いて、おいしいあなごめしを提供する。うえのは、今までのこだわりにさらに磨きをかけていきます。
店舗情報
あなごめし うえの
住所:広島県廿日市市宮島口1-15-11
電話番号:0829-56-0006
営業時間:9:00~19:00(水曜のみ18:00まで)
※弁当販売9:00~/食堂10:00~
ひろしまリード編集部