御船印を集めてめぐる、1泊2日の船旅島旅/宮島〜広島・呉〜松山(広島県・愛媛県)

旅の記念と乗船の記念に!御船印に思い出を詰め込もう

2021年4月に始まった、御朱印の船版である「御船印」を集めてめぐる「御船印めぐりプロジェクト」。北海道から沖縄まで、全国73の船会社(一部博物館)が参加して、オリジナルの印を発行・販売しています (2022年4月時点)。

今回は、瀬戸内海を運航する船に乗って、1泊2日で多くの御船印を集めて巡ることができるオススメのモデルルートをご紹介します!

 

1泊2日で4社5枚を集めるモデルルートはこれ!

広島を起点に、一泊二日で宮島、呉、松山、そして忽那諸島の中島までぐるりと船旅し、4社で5枚の御船印を集めるプランは、こちら。

1日目
09:05 宮島口→宮島港(宮島松大汽船)
11:00 宮島港→広島港(瀬戸内シーライン)*御船印はありません
12:25 広島港→呉港(瀬戸内海汽船/石崎汽船)
16:03 呉港→松山観光港(石崎汽船/瀬戸内海汽船)

2日目
10:30 松山観光港→中島・大浦港(中島汽船)
15:39 中島・神浦港発→三津浜港(中島汽船)*西回り航路には御船印はありません
17:30 松山観光港→広島港

 

【スポット1】宮島松大汽船で、嚴島神社が描かれた御船印をゲット!

Day1|宮島口旅客ターミナル

1日目、宮島口旅客ターミナルを朝9時5分発の「宮島松大汽船」で世界文化遺産の宮島へ。

宮島松大汽船は、宮島出身の方が始めた船会社さん。フェリーは、「宮島」「厳島」「安芸」と令和3年に新造したばかりの「伊都岐」の4隻があります。

それぞれ15分間隔で出航しているので、少し早く着いても遅れても、大丈夫。宮島まではたったの10分なので、焦らずに乗船することができます。どの船に乗れるかも楽しみですね!

御船印は、切符売り場の窓口で購入できます。世界文化遺産に登録された嚴島神社の大鳥居が描かれて、宮島来島記念にもなりますね!

大鳥居を御船印に載せるのに、宮島松大汽船から嚴島神社へ許可ももらっているそうで、お墨付き! なんだかご利益がありそうです。

乗船したのは、フェリー「安芸」。船首側のビューシートやデッキからは、宮島の景色がどんどん間近に迫るのを見ることができます。

古くからこの地域は、瀬戸内海の海運の要衝とされ、多くの船が行き交ってきました。時の武将などだけでなく、多くの船人たちも嚴島神社に海上安全の祈願をしてきた歴史があります。

向かう途中、宮島から戻ってきた新造船「伊都岐」。かっこいいフォルムですね!前後から降りられるようになっている船です。

宮島松大汽船|宮島口-宮島


宮島松大汽船についてはコチラ

 

 

【スポット2】世界文化遺産の宮島を散策しよう!

Day1|広島県廿日市市 宮島(厳島)

宮島は古くから「神宿る島」とされ、昔は禁足地として上陸は不可能でした。1146年に安芸守となった平清盛が平家の守護神として崇め、社を現在の寝殿造に修営したといわれています。また、毛利元就の厳島合戦の舞台でもあります。人が参拝し、町が形成されていったのは、江戸時代になってから。

そんな神宿る島は、今や国内随一の観光地です。観光マップは、船着き場内の観光案内所でもらえるので、ぜひ手にとってぷらぷら歩いてみてくださいね!

宮島名物のあなご飯は、お弁当にしてもらいました。次に乗る船の中で食べようと思います。

春、桜の咲く季節は花びらを食べるシカの姿も見られます。お鼻に花びらをくっつけて、愛らしい!

さて、続いては宮島港から「瀬戸内シーライン」の船に乗って広島港へ。チケットは、「宮島〜広島〜呉」のセット売りがお得です!また、この船では御船印を販売していませんが、22分で広島まで移動できるので、船旅を楽しみたいと思います。

 

御船印に関する問い合わせ先
宮島松大汽船
販売場所/切符販売所
電話/0829-56-0315
営業時間/9:00~17:00
料金/300円
定休日/年中無休
キャッシュレス決済 不可

宮島松大汽船|宮島口-宮島


宮島松大汽船についてはコチラ

 

 

【スポット3】瀬戸内海汽船のお洒落な「シーパセオ」で呉へ!

Day1|広島港宇品旅客ターミナル

瀬戸内シーラインで広島港へ到着し、瀬戸内海汽船に乗り換えて呉へ!

広島〜呉〜松山航路は、瀬戸内海汽船と石崎汽船の船が同航路を運航しており、日によって配船が変わります。どの船に乗っても御船印は手に入りますが、事前に問い合わせて(配船は一ヶ月前くらいに決まるそう)、2019年に就航したクルーズフェリー「シーパセオ(SEA PASEO)」に乗ることができました!

瀬戸内海汽船では、ほかに高速船の「スーパージェット道後」と「スーパージェット宮島」も運航しています。

シーパセオの船内は、まるで海上を走るカフェ。照明や座椅子、配色など、ここが船内だとは到底思えないほどお洒落!

デザインは正真正銘に素晴らしく、19年度のグッドデザイン賞ベスト100とシップ・オブ・ザ・イヤー2019の小型客船部門賞を受賞しています!

 

デザインは、船の特性(前方が静か)に合わせて、船首部は静かに眺望を楽しめる客席の「キャビン」、中央部は会話や食事を気兼ねなく楽しめる「ラウンジ」、船尾部と屋上デッキは潮風を感じながらにぎやかに過ごせる「ヒロバ&オクジョウ」の3つに分けられ、設計されています。

ごろんと横になれる「GORONE」エリアや、ちゃぶ台がある「KOAGARI」エリアなど、船に乗るシチュエーションに合わせて席を選べるのも素敵です。

売店横には、シーパセオライブラリーがあり、読書までできるそう(新型コロナウイルス対策のため閉鎖している場合あり)。

穏やかな瀬戸内海だからこそ、船酔いも気にせず楽しめそうですね。

 

船と同じデザイン会社が制作!スタンプ版の御船印

御船印は、船のデザインをした会社が制作したそうです。シーパセオらしいデザインを踏襲しています。

数ある御船印のなかでもユニークな、スタンプを組み合わせることで1枚の御船印になる仕組み。公式船印帳などに直接押してもらいましょう!(印帳がない場合は白い紙に押してくれます)

屋上デッキは、シーパセオのデザインコンセプトである「瀬戸内海の移動を楽しむ、みんなの公園」を体感できるスポット。前方には人工芝が敷かれていて、ごろんと横になってくつろげますよ。

潮風にあたり、広島から呉へ移動する本土側の景色や、瀬戸内海の島々を眺めながら、本当に公園にいるかのような心地よさを味わえます。

間も無く呉に到着!御船印にはシーパセオの船体スタンプが押され、素敵な乗船記念になりました。

 

御船印に関する問い合わせ先
瀬戸内海汽船
販売場所/船内
電話/082-253-1212
営業時間/7:00~21:00
料金/500円
定休日/配船スケジュールによる
キャッシュレス決済 可

瀬戸内海汽船|広島・呉-松山


瀬戸内海汽船についてはコチラ

 

 

【スポット 4】国内屈指の“軍港”と呼ばれる呉を楽しむ!

Day1|呉港周辺

呉の港は、第二次世界対戦中は帝国海軍の拠点で、現在は神奈川県の横須賀港と並ぶ海上自衛隊の主要基地となっています。

港周辺では護衛艦や潜水艦などさまざまな艦船が見られ、ほかの港とは異彩を放った雰囲気がします。

戦艦「大和」をテーマにした『呉海事歴史科学館(大和ミュージアム)』や、実物の潜水艦を間近に見られる『海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)』などが港から徒歩圏内にあるので、次の乗船時間まで、船や戦争の歴史を学ぶこともできます。

 

 

【スポット 5】石崎汽船で、松山まで1時間の船旅!

Day1|呉港〜松山観光港

16時すぎに石崎汽船の高速船スーパージェット「瑞光」に乗って、松山観光港へ!シーパセオが着いたターミナルから出航します。

石崎汽船は、瀬戸内海汽船と同航路で、スーパージェット「祥光」とクルーズフェリーの「祥洋丸」と「旭洋丸」があります。御船印もそれぞれ船内で販売しています!

高速船スーパージェット「瑞光」の船内に、御船印のポスターを発見!

船内は、新幹線の座席のようにゆったりとしていて、快適に過ごせます。呉から松山までは約1時間で、もし陸路や空路で移動したら何倍も時間がかかるはず。移動には「航路」という海の道も利用すると、旅行の幅がうんと広がります。

船内の売店で、さっそく御船印を買いました。船名の「瑞光」がメインのデザイン。呉の戦艦大和を彷彿とさせる書体でかっこよく、モノクロの写真仕様がレトロです。

平清盛にゆかりのある『音戸の瀬戸公園』を背景に写真を撮ってみました。

瀬戸内海を縦断する間、御船印を買ったり、外の景色を眺めていたらあっという間に松山観光港へ到着!

呉の港景色とはがらりと変わり、のどかです。

 

御船印に関する問い合わせ先
石崎汽船
販売場所/船内
電話/【松山】089-953-1003 【呉】0823-21-1489 【広島】082-253-1212
営業時間/7:30~21:40
料金/300円
定休日/配船スケジュールによる
キャッシュレス決済 不可

石崎汽船|松山-呉-広島


石崎汽船についてはコチラ

 

 

【スポット 6】三津の渡し舟に乗って、レトロな三津浜に滞在!

Day1|愛媛県松山市 三津浜

松山観光港からは、松山市内や高浜駅までの連絡バスがあります(有料)。翌日は松山市の中島汽船に乗ることを考えて、松山市・三津浜に泊まることにしました。

高浜駅から伊予鉄高浜線に乗って、港山駅で降り徒歩2分。約400年の歴史をもつ「三津の渡し」舟に乗れば、無料で三津浜へ渡してもらえます。旅1日目にして、5つ目の船です。

港町の三津浜は、実は密かに熱いまちとして、じわじわと魅力的なスポットが増えています。貴重な文化財となっている古民家も多く見られ、とっても情緒的。こぢんまりとしているので徒歩で散策できます。

宿泊は、魅力スポットの一つでもある『旧鈴木邸』で。築110年の古民家を活用しオープンしたばかり。なんと三津浜の登録有形文化財に指定されています。

旧鈴木邸のオーナーである女将さんがお出迎えしてくれました。オーナーは、もともと古民家が好きで、三津浜に通っているうちに旧鈴木邸が空き家になることを知って、古民家を遺したい思いで購入したそうです。

旧鈴木亭は三津浜煉瓦工場の社長の住まいで、工場で焼かれた陶器の欄間など随所に貴重な意匠が用いられています。

二階の客間はなんとまるまる一組みだけの滞在で、とっても贅沢な空間!

レトロな雰囲気で、オーナーのセンスが光ります。もともとあった家具や小物、古本などを活用しているそう。古いものを大切にしたい、活かしたいというオーナーの心が現れていますね。

夜ご飯に、三津浜名物の「三津焼き」を食べに行きました。薄い生地にたっぷりの野菜で、ボリューミーだけど美味しくて、完食。地元の方々とも少し交流ができて、ほっこり。

 

 

【スポット 7】中島汽船で忽那諸島最大の中島へ島旅!

Day2|三津浜港

2日目は、7つの有人離島や無人島で構成される忽那諸島で、最大の面積を誇る中島へ。三津浜から中島汽船のカーフェリー「ななしま」で向かいます!

中島汽船は、フェリーと高速船が運航していて、西線と東線の航路があります。御船印が購入できるのは東線フェリーである「ななしま」だけなので要注意!

中島汽船唯一の御船印「ななしま」は、船内で購入可能です。中島汽船は、もともと中島町の船として運航開始したそうですが、現在は石崎汽船グループになっています。なのでデザインは、石崎汽船と同じタイプです。

御船印を持って写真を撮らせていただいた中島汽船の方は、松山北高校中島分校を卒業されて、今も中島に暮らしているそうです。中島のおすすめスポットをいろいろと教えていただきました。

瀬戸内Finder

ななしまは2017年に就航したフェリー。船内は広々として、木目調のデザインで落ち着いた雰囲気がします。

瀬戸内Finder

離島航路のフェリーとは思えないお洒落なファミレスという感じもします。バリアフリー対応になっていて、どんな人でも安心して船旅ができそう。

瀬戸内Finder

中島の松山北高校中島分校へは、三津浜や松山市内から通学する生徒も通っているため、船内に生徒の姿も見られます。

船で通学というのは、都心で暮らしているとなかなか体験できないことですよね。こうした地域特有の光景と出会えるのも、船旅ならでは。

瀬戸内Finder

デッキもおすすめ!瀬戸内らしい多島美をみせてくれる忽那諸島を眺めながら、潮風にあたると、とても気持ちがよいです。

「これぞ、瀬戸内だなあ」と思える穏やかな潮騒と優しい海の色。ぽかぽかの陽気だと、デッキでお昼寝したくなりそう。

瀬戸内Finder

さて、御船印は船内の売店で購入できます!島の商店のような売店で、駄菓子や手作り弁当なども販売していますよ。

 

御船印に関する問い合わせ先
中島汽船
販売場所/船内(東線航路のフェリー「ななしま」のみ)
電話/089ー997‐1221
営業時間/5:40~20:00
料金/300円
定休日/年中無休
キャッシュレス決済 不可

中島汽船|松山-中島


中島汽船についてはコチラ

 

 

【スポット8】里山が美しい中島で、ゆるりと島時間を過ごそう

Day2|愛媛県松山市 中島

瀬戸内Finder

まずは、中島の歴史に触れようと思い、「熊田」という地区にある正賢寺の境内にある『懐古館』に向かいました。こちらは、ご住職が年月をかけて収集した島の民族品がずらりと並んでいます。その数、およそ3,000点だとか。

中島は、かつて忽那水軍の本拠地で海運業も盛んでした。戦後は柑橘栽培が一大産業となり、島の暮らしは活気付いたといわれます。

そんな古からの暮らしを伝える一つひとつを見ていると、あっという間に時間がすぎてしまいます……。

瀬戸内Finder

泰ノ山からの景色は絶景で、大浦の集落と、柑橘栽培で切り開いた畑が山の斜面に見られます。

瀬戸内Finder

収穫時は島一面が柑橘色に染まり、また春から初夏にかけては花の香りが島中に漂うそう。島では柑橘の収穫体験もできるそうです。

瀬戸内Finder

「粟井」という集落は、海運業が盛んだった地域で、『桑名神社』を訪れると珍しい船の賽銭箱が見られます。

また、社殿の中には江戸時代以降に奉納された船の絵馬も飾られているそうです。ただし見学には許可が必要です。

瀬戸内Finder

社殿の裏側にある船の賽銭箱は、下から賽銭を投げ入れて参拝するそうです。さあ、入るかな?

島内の移動には、サイクリングがおすすめです。島のサイクリングマップがあるので、それを見ながら巡ってみてはいかがでしょう。

 

 

【スポット9】船名に込められた思いを感じる石崎汽船の御船印

Day2|松山観光港〜広島港

瀬戸内Finder

中島から三津浜に戻り、ふたたび松山観光港に向かいます。

石崎汽船の窓口でスーパージェット「祥光」の乗船券を購入して、広島に向かっていざ出航!

ちなみに、松山観光港はサーカス場をイメージして作られたとか。ワクワクするターミナルですので、ぜひ行って確かめてみてくださいね。

瀬戸内Finder

船の二階はスーパーシートで、+500円の有料席ですが、おすすめです。席はゆったりとして、ふかふか。

1時間ほどの移動ですが、旅の最後の船となるので少し贅沢するのも良いですよね!

瀬戸内Finder

スーパージェット「祥光」一階の売店で御船印を購入。石崎汽船の船名には、実は昔から漢字がよく使われ、「光」と「星」の文字を入れてきているものが多いそうです。

すべての船には名前がつけられていますが、こうして代々受け継がれる文字があるというのも、なんだか人の名前と同じようですね。船会社さんが次世代へ託していく愛と思いを感じられられます。

瀬戸内Finder

松山から広島へ向かう瀬戸内海上では、逆向き(松山)に向かう「翔洋丸」とすれ違いました。

電車や車とは違い、船はゆっくりと時間かけて行き交います。いつまで向こうの船を眺めていると、旅情を感じずにはいられません。


石崎汽船についてはコチラ

 

今回は、1泊2日とは思えないほど濃く、充実した船旅でした。船を利用すれば、一度の旅で広島と松山の両方に行けるようになります。船には8隻も乗り、御船印は4社で5枚を集めることができました。

 

御船印を集めて巡って、マスター制度の称号に挑戦!

瀬戸内Finder

御船印めぐりプロジェクトでは、20社をめぐると「一等航海士」、さらに40社をめぐると「船長」の称号がもらえるマスター制度があります。ぜひ、船旅をしながら称号を目指してみてはいかがでしょう?

詳しくは御船印公式HPの「御船印マスター制度について」をチェック!

 

▼記事提供元

瀬戸内Finder
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。

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