創業75年の老舗で受け継がれる秘伝タレで仕上げる絶品うなぎ 柳橋 こだに 広島市中区
「柳橋 こだに」は、広島でうなぎと問われれば多くの人が真っ先に名前をあげる名店で、今年(2022年)6月22日に創業75周年を迎えた老舗。筆者も20代前半の頃、先輩にごちそうしてもらって食べた「こだにのうなぎ」とのファーストコンタクトの衝撃が今も残っています。お重を開いた時に立ち込める芳ばしい香り。ふっくらとした身は甘辛いタレと絡まり、口の中いっぱいに旨いの感情を溢れさせてくれます。少し焦げ目のついた部分のかすかな苦みも良いアクセント。とにかく美味しいんです。
昭和22年創業
昭和30年代前半の店構えこだには、創業当時には金魚や川魚などを販売していました。後にうなぎの蒲焼の店頭販売を始め、現在の形に至っています。繁忙期の土用の丑の日には3日で8000匹のうなぎを捌き販売していたこともあるそうです。
創業者の小谷恒三さん創業者・小谷恒三さんの「ごまかさない、ズルをしない」という教えは今も受け継がれている。
美味しさの秘密
こだにでは、届いたうなぎをすぐには料理に使いません。かごに入れて、常に水を流しながら2~3日うなぎを寝かし、落ち着かせます。
3代目・小谷顕太朗さんうなぎを捌くのにもこだわりがあります。一般的な店では、氷で冷やし弱らせたもの捌くそうですが、こだにでは元気な状態のうなぎを捌きます。もちろん元気な方が捌きにくく効率は悪いのですが、格段に味が良いそうです。そして急所を一突きにし、なるべく苦しみを与えない事もポイントだそう。痛みや恐怖は味を悪くする要因となるそうです。
2代目・小谷隆春さんうなぎは鉄網の上で焼かれる。その日のうなぎの状態を見ながらタレを付けては焼き、付けては焼きを2~4回繰り返す。「決して量をこなす流れ作業になってはいけない」という初代の教えを今も守り、日々うなぎに向き合っているそうです。
うなぎの味を決める大きなポイントとなるタレ。このタレは創業以来変わらない調理方法で継ぎ足されているとのこと。美味しさのポイントは「うなぎの骨」。
うなぎの骨鍋いっぱいのうなぎの骨をおよそ3時間、スープ状になるまで煮込みます。そこに砂糖や醤油など厳選された調味料を加え仕上げるそうです。
自慢のうなぎ料理
うな重 4,050円こちらが、一番スタンダードな「うな重」。丁寧に焼き上げられた蒲焼は、コゲも少なく見た目にもキレイです。味は冒頭に書いた通り、間違いありません。店内飲食では、肝吸いと香の物も付いています。
うな重(上)5,480円うな重も「上」だとうなぎのボリュームがかなり多め、かなり満足度高めです。
そして色々な味を楽しみたい方には「ひつまぶし」がオススメです。
ひつまぶし 4,650円ひつまぶしのうなぎは細かく刻まれています。お店のオススメの食べ方は、「1杯目はそのままで。2杯目は薬味を乗せて。3杯目は薬味を乗せ出汁をかけてお茶漬け風で。4杯目はお好きな食べ方で」との事。添えられた薬味は「わさび、ネギ、刻みのり」です。一緒に食べると、わさびが甘く、かなりうなぎとマッチします。そしてさらに出汁を加えると、ダシとタレと薬味が混ざり合い絶妙な味に変化します。最初から最後まで箸が止まらなくなると思います。一つのメニューでさまざまな味に出会える、ひつまぶしにはうな重とは違った魅力があります。
そしてこちらは夜限定になるのですが、和食のイメージから飛び出したような「うなぎコース」はいかがでしょうか。
うなぎBコース 8,100円元々フランス料理の修行をしていたシェフが「こだに」に入った事から実現した和洋折衷のフルコース。これは2代目隆春さんの「創業以来の伝統は守りながら、革新を続けていく」というモットーから生まれたメニューです。伝統と人気に胡坐をかくこと無く、「こだに」は常に進化しています。
様々な形でうなぎの魅力を堪能できる「こだに」で本気のうなぎをあじわってみてはいかがでしょうか。
◆柳橋こだに
所在地:広島市中区銀山町1-1うなぎビル2F
TEL:082-246-7201
営業時間:11:30~14:00/17:00~21:30 (ラストオーダー20:30) ※お持ち帰りは10:00~20:30
定休日:日曜、祝日
ひろしまリード編集部