【カープ秋山翔吾入団会見】背番号は9に!「個人としては2000本安打への思いがある」
古巣の西武ライオンズではなく、資金力のあるソフトバンクホークスでもなく。秋山翔吾が日本球界復帰に選んだのは広島東洋カープだった。背番号は、カープが3連覇したときの指揮官・緒方孝市前監督が現役時代に着けていた「9」に決まった。
背番号が9に決まった秋山カープ入団の決め手を秋山は会見でこう語った。
「個人としては2000本安打への思いはあったが、フロントの方からその言葉が出てきたことがうれしかった」
交渉役を務めた鈴木清明球団本部長。残り524本に迫っている大台に向けフロントの「バックアップ宣言」がカープ入団の後押しとなった。さらに会見の前に松田元球団オーナーからも「ボロボロになっても2000本安打を打ってくれ」と激励されたという。秋山本人も「メジャーリーグでは安打を積み上げることができなかった。新しい環境、新しいチームでやるということで簡単に積み上がることでもないと思う。個人の目標としてこの数字を持ちながらやっていきたい」と意気込みを語った。
初のセリーグ、そして初の西日本での生活だという秋山だが心強い存在がカープにはいる。侍ジャパンでチームメイトだった會澤翼、菊池涼介、田中広輔だ。本人曰く「縁もゆかりもない場所」での生活。入団が決まってから3選手と連絡をとり3選手ともサポートを約束したという。
そしてファンが気になるのは、どのような活躍を見せてくれるかというところ。「どのチームに入ったとしてもやるべき仕事はまずは出塁だと思っている。カープの選手の数字を見ても安定して打っている人が多いので、もう1回しっかりレギュラーを取って、どの打順でも前後の選手とコミュニケーションをとっていろんなものを共有してやっていきたい」。この言葉からはベテランらしい冷静さが垣間見えた。
会見に臨む秋山翔吾6月の新型コロナ感染。パドレス傘下3Aエルパソ退団などで満足な練習量は確保できていない。球団からも「焦らないでいい」という言葉をかけてもらったというが、その言葉に甘えるつもりは全くない。
「どれだけあれば状態が戻るかわからないが、しっかりしたものを早く取り戻せる準備をしてチームに合流したい。」と早期合流が当面の目標となる。
若手にはどのようなことを伝えたいかという質問に対しては、「まずは自分が試合に出る準備をするのが1番になってくる。自分から積極的に教えるのは時間が掛かると思う。正直、そんなことをやっている状況かといえばそれどころじゃない。一緒にプレーしたり練習したりする中で聞かれたらどんどん答えていくつもりはあります」と回答。
会見の最後には、「まずこれから秋山翔吾という選手が、どういうことができるのかどういう風にやっていくかをしっかり見てもらいたい。獲ってもらった以上、選手としてしっかりしたプレーを見せて、歓声をもらう、拍手をもらいたい気持ちはすごくあるのでそれがまずは早く、そして長くやれるように頑張っていきますので、これからこういう選手だなというのを知ってもらいたいです」とファンに力強いメッセージを送った。
バットを振る秋山鈴木誠也のメジャー移籍、西川龍馬の故障離脱で混沌としている外野手争い。秋山がすんなりとその1枠をつかむのか。はたまた、若手がその座を守るのか。どちらにしても秋山の加入はチームにいい影響をもたらすに違いない。
ひろしまリード編集部