毎日投稿で3万「いいね」SNS配信に力を入れる福山市立動物園|地球派宣言
60種類の動物などを展示している福山市立動物園。ツイッターなどのSNSに動物たちの写真や動画をほぼ毎日配信しています。
飼育員に向かってオリをたたくアムールヒョウに、競うようにエサを食べるパルマワラビーなど、どれもとてもユニークです。
エサを食べるパルマワラビー福山市立動物園の末國 柔(すえくに・やわら)さんは「動物たちの日々の様子をファンの方に届けたいという気持ちやコロナでなかなか来られない方にも見ていただきたい」と配信に力を入れる理由を説明します。
広報担当 末國さんこれまでに投稿した写真や動画は1万点以上。
動物たちの素の表情や、普段、飼育員しか見ることのできない決定的瞬間が捉えられています。
ボタンインコが一斉にいなくなる動画は3万以上の「いいね」がついたそうです。
ボタンインコが居なくなる様子動画はどのように撮影しているのでしょうか。飼育員に同行させてもらいました。
青木耶珠子(あおき・やすこ)飼育員に撮影のコツを聞くと「みんなパッと起きたり逃げたりするので、できるだけゆっくり近づいてこそっと撮る」と話します。
おりの中に入る青木さんきょうのモデルは、今にも寝そうなアカハナグマのキャンディ。
ハンモックの中で寝ていて、お客さんから見えないこともあるので、普段お客さんからは見えにくい角度で撮るようにしているそうです。
アカハナグマのキャンディゆっくりと、おりの中に入って昼寝の様子を撮影しようと近づきますが…
気配に気づき、キャンディは目を覚ましてしまいました。それでも狙いを変えてカメラをむけ約5分で撮影は終了しました。
おりの中で撮影する青木さん「起きてはしまったけど、ごはんを食べるとこが撮れたので、ツイートのネタにはなったかな」と青木さん。
被写体になるのはおとなしい動物だけではありません。
萩原慎太郎(はぎわら・しんたろう)飼育員は、アムールヒョウのピンちゃんが木を登る瞬間の撮影にトライしようとしています。その動物本来の習性とか動きとかが伝わるように気をつけているのだそう。
アムールヒョウのピンちゃんエサの馬肉を屋根の上からつるし、ピンちゃんに登ってもらおうという作戦です。
ここで登場したのが秘密道具の「人工ケーシング」というひも。
萩原さんによると「ソーセージの皮で、ぬらすとひもになる。食べてOKなものなのでこれでつると、途中で切れて食べてしまっても動物にも害はない」のだそうです。
エサを用意する萩原さん撮影は広報担当の末國(すえくに)さん、来園者と同じ場所から撮影します。
広報担当の末國さんが撮影萩原さんはエサを持って屋根に上がります。
屋根からエサの肉を下ろす萩原さん肉を下に下ろすと…あっという間の出来事でした。俊足のアムールヒョウは素早く肉を口に加えると木から降りて行ってしまいました。
木に登るピンちゃん肉をくわえるピンちゃん
動画は手が空いた時間にコメントを書いて投稿。
動物園によると1日の投稿回数が20回を超えることもあるそうで、マレーヤマアラシのバイオくんは国内最高齢ということを伝えながら日々の穏やかな姿の投稿を重ねていくと、応援コメントをたくさんもらえるようになったそうです。
マレーヤマアラシのバイオくんSNSなどを使って動物たちの隠れた魅力を発信し、コアなファンを増やそうとする福山市立動物園。
今後はオンラインのイベントなども充実させ、来園者の増加につなげたいということです。