カープ野間峻祥選手「交流戦、負けているので何とかしたい」リードオフマンとしてチームを牽引
「チームが勝つために何とかがむしゃらに。不細工でも良いので必死にがんばっていきたい」。そう力を込めるのは、今シーズンから野手キャプテンを務める野間峻祥(たかよし)選手。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、現在リードオフマンとしてカープの打線を牽引する野間選手をフカボリ。二軍での調整の日々。そして野手キャプテン、リードオフマンとしての思いに迫る。
※データはすべて6月4日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
今ではチームに欠かせない存在となった野間だが、今シーズンは決して良いスタートを切ったとは言えなかった。鈴木誠也のメジャーリーグ移籍で空いた外野のポジションを掴むだろうと期待されたがオープン戦で16打席1安打とつまずく。開幕は一軍で迎えるも、若手の台頭もあり出場機会に恵まれない日々を過ごした。そして開幕から2週間も経たず二軍降格。「情けないというか、悔しい気持ちでいた」と当時を振り返る。
「一軍に上がりたい」。はやる気持ちを抑えて、野間は2か所の修正に時間を費やした。1つ目は『体が突っ込まないようにするため軸足に体重を残す』こと。この取り組みが功を奏した。オープン戦では上体が前にいき、軸足が残っていないのに対し、一軍復帰後の打席では軸足に体重が残り、その場でコマのようにくるっと回っているのがわかる。「結果を欲しがってしまうと、どうしても上体が強くなってしまう。結果は大事だが、打席の中でしっかり自分のスイングを数多くする」ということに重きを置いているという。
2つ目は『コースに逆らわない打撃をすること』だという。「ピッチャーによって(打球)方向を徹底して入る時もあるが、内めは引っ張って、外めはしっかり流して。センターへはしっかり入っていくというのが基本だと思うので、コースなりに打っていければ」と野間。オープン戦ではインコースは引っ張りきれず。アウトコースは引っ掛けて凡退してしまっていた。今はインコースにきた球は思い切り引っ張ってライトへ。アウトコースにきた球は逆らわずレフト方向へ打つことができている。
日々の鍛錬が実を結び、5月19日に一軍再昇格すると、その初打席で球界屈指の好投手、巨人の菅野智之投手からタイムリーヒット。そして5月20日の中日戦で、二軍での修正の成果が現れた。5回裏、先頭で迎えた第3打席。インコースへのストレートを振り抜き、ライト線への2ベースヒットを放った。「まっすぐを狙っていった中で、自分のポイントでしっかりスイングできたので、少し自信になった」と明かす。
勢いづいた野間は好調を維持し、一番で起用され続けている。「足を使っていくタイプなので。やっぱり一番というのが、自分の中でも打ちたい打順」と話す。「(再昇格してから)試合に出て結果が出ているが、チームが交流戦が始まってから負けているので何とかしたいと思っている」とも。リードオフマンであり、野手キャプテンでもある野間は誰よりも勝利に貪欲。今後のシーズンのキーマンになってくるに違いない。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 6月4日放送
ライター 湯谷葉子