【異色】築45年の中古マンションに若手アーティストが続々集まる深い理由
外から見るとマンション、中に入れば芸術の香り。アーティストたちが工房や展示スペースに活用する賃貸住宅が、広島市中区にあります。
住宅街で特に目立つわけでもない1棟のマンション。築45年、どことなく懐かしいつくり。室内に入ると・・・。
原田裕規さん「こちらに作品が展示してあります」
1階・101号室は、広島市現代美術館の分室。週末は原田さん製作の作品が上映されました。
原田さん「行く当てのない写真を回収して保管している その写真を24時間にわたり/弔うように見続けているという映像作品になっています」
現在、改修工事中の現代美術館。休館中の拠点として借りたのがここでした。
現代美術館・岩本史緒さん「他にもアート関係のアーティストのギャラリーが入っているので アパート全体として一つの小さな文化拠点として成長していけるといいな」
マンションに芸術家らが集まるようになったのは、2017年。リノベーション可能な賃貸を始めると、立地の良さや手ごろな家賃もあり注目されました。
三澤正明さん「アーティストさんがDIYをすると味があるので 次の人が直さずに使いたいと言ってくれたり/アーティストさんがつくるので 世の中に唯一の作品になる感じ」
織り作家の平浜さんもその一人。
平浜あかりさん「シンクもコンロもない状態だったが 染めの作業をするために中古の機材屋で探し購入して設置した」
味わいを感じた元の壁や天井・玄関などを生かしつつ、およそ1年半かけてギャラリー兼アトリエに改装しました。創作に集中するため寝泊まりする日も。
平浜さん「ここにベッドを敷いて 寝ていろんな光の中で作品を見て 自分はこのとき何を考えていたかなとか」
現在、16部屋のうち7部屋でアーティストが活動中。ゲームやゾンビを楽しめるエンタメ空間も。室内が開放され交流できる日もあります。
来場者「人がいっぱい集まって、内装もどの部屋もこだわっていて 楽しいなと思いました」
様々な人たちを引き寄せる芸術の巣のような場所。5月にはウクライナ出身でアメリカ在住のアニメーション作家も加わり、半年間滞在する予定です。
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2022年4月19日放送「5up!」
※掲載された情報は、取材当時のものです。予めご了承ください。
ひろしまリード編集部