【カープ】プロ6年目 床田寛樹投手が見出した光明は「出力アップ」と「魔球」

大瀬良大地投手、九里亜蓮投手、森下暢仁投手に加え、カープを支える先発4本柱で唯一サウスポーの床田寛樹投手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、プロ6年目の床田投手をフカボリ。開幕から好調なスタートを切ったカープの要因を語るに欠かせない存在の床田投手が見出した“2つの光明”に迫る。

※データはすべて4月23日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略

カープ床田寛樹投手 カープ床田寛樹投手

昨シーズンは開幕ローテーション入りするも、結果を残せず6月に登録抹消。およそ2ヶ月、二軍での調整を余儀なくされた床田。しかし、この時間で見出した2つの光明が、現在の活躍へとつながった。

 

1つは【ストレートの出力アップ】。昨年に比べるとストレートの平均球速は144.6→146.0(キロ)と2キロ上がっている。「今まで100%で投げてはいたが、なかなか通用しなかった。昨シーズン二軍に落ちてから一軍に上がった時、3回にバテてもいいくらいのつもりで150%、200%で最初から入るようにした。それが思いのほかイニング数を投げられたのでよかった」と床田は振り返る。

現在の活躍を振り返る 現在の活躍を振り返る

「一軍復帰して最初の阪神戦。真っすぐがものすごくよくて、三振も初めて二桁の10。このくらいの力感で行ってある程度投げられることを実感。真っすぐがよかったら変化球もいってくれるんだというのを感じた試合だった」とも。苦しみの中で見出したストレートの出力アップという光明は、自身初の月間MVPをももたらした。

現在の活躍を振り返る ストレートの出力アップが自身初の月間MVPにつながった

もう一つの光明は【魔球・パームの解禁】。現役選手でも投げる投手の少ないと言われるパームがその活躍を支えている。しかし投げ始めたのは「昨シーズン。二軍の試合中にいきなり投げてみた」と明かす。「二軍で毎試合ボコボコに打たれていた。もう試合で投げる球がないなとなって、じゃあここでパームを投げてみようと投げたら思いのほかよかった」と話す床田。高校時代に覚えたが試合で投げたことはほとんどなかったと言う。

カープ床田寛樹投手 魔球・パームが活躍を支えている

カープで唯一完全試合達成投手の外木場義郎氏に聞くと、「フォークボールのような系統は若干早くて沈んでいくボール。このパームというのは、時速は腕をしっかりと振っていたら同じように感じるが、バッターの近くに来た時はすごく弱くなっている。バッターはタイミングを取りにくい」。床田の場合、ストレート(146.0キロ)とパーム(116.3キロ)の平均球速差はおよそ30キロ。それを存分に活かしているのは「同じモーションで同じ腕の角度。ストレートと同じように投げている」という床田のピッチングフォームにあると外木場氏は分析する。

 

打者を惑わす魔球・パーム。「真っすぐに見えて、チェンジアップより球が来ない。それが一番いいと思っている。カウントも取れて、決め球にも使える。右にも左にも使えるパームが理想」と話す床田。投球の幅が広がり、安定感が増した床田の今シーズン目指すものは「規定投球回数。先発で回るとなったら勝ち星は自分一人ではどうしようもない。イニングを多く投げればチームに貢献できるし、規定に乗ってこそ初めて成績が残る。今までは暫定の成績でしかないので、なんとか自分の成績を残せるようにしたい」と意欲を見せる。

 

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 4月23日放送

ライター 湯谷葉子

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