いまが見ごろのサクラを紹介 温暖化でサクラが消える!?【地球派宣言】
サクラの見ごろは過ぎてしまいましたが、まだ楽しめるちょっと変わった桜をご紹介します。広島市東区の県緑化センターには約60種類、700本以上の桜が植えられています。
こちらは濃いピンク色の花が特徴の関山(かんざん)。遅咲きのサクラで、花びらはおよそ50枚、サクラ茶にも使われる有名な花のひとつです。
関山(かんざん)樹木医の正本大さんに見ごろのサクラを案内していただきました。
正本さんは「ソメイヨシノほど派手さはなくても、サクラの種類によって花びらや咲き方にも特徴があるのです」と話します。
サクラに詳しい樹木医の正本さん今の時期、見ごろなのは花びらが20枚以上ある八重咲きのサクラでその中でも特に人気なのが、松月(しょうげつ)です。
正本さんによると「遅咲きであるが故に、春を告げることを我慢できずに葉も一緒に出てきてしまう」のだそう。
松月(しょうげつ)また、花びらが黄緑色のサクラもあります。御衣黄(ぎょいこう)は中国で位の高い人の服の色に似ていることからこの名が付いたとされるサクラ。
正本さんは「葉緑素の成分が花に残っているので、このような黄緑色が出てくる」と説明します。
御衣黄(ぎょいこう)人々を魅了するサクラですが、心配なことも。
正本さんによるとソメイヨシノは3月に満開になることが多くなっていますが、今から40年前は、一度もそういったことはなかったそうです。
昔は入学式のころに咲いていたイメージがあるサクラですが、今ではほとんどが終業式の頃に咲いているんです。
満開のソメイヨシノサクラは冬の間、一定の寒さが続くことで休眠していた花びらが休眠打破して開花が始まります。
正本さんは、1月に採取したソメイヨシノの枝を室内の暖かい場所に置き続けて、休眠打破を起こさない実験をしてみました。
すると、寒さにさらされた期間が短いため、サクラは咲きませんでした。
実験をする正本さん寒い時期が減り休眠打破が起きなくなれば、ソメイヨシノの開花に大きな影響が出ます。
正本さんは「ソメイヨシノは、鹿児島の南端ぐらいから咲きにくくなってきている。温暖化が進むと、広島でもある程度は早咲きになりますが、サクラが咲かないということもあるかもしれません」と心配しています。
春になると当たり前のように咲いて多くの人を楽しませるサクラ。
しかし、このまま温暖化が進めば当たり前でなくなる日が来るかもしれません。
満開のサクラ