【ロザン宇治原解説】小中高で必修化のプログラミング教育 今後の展望とは?
2020年度に小学校。2021年度に中学校。この4月から高校で必修化される「プログラミング教育」。ロザンがMCを務める、広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、小学校で必修化されて2年経った「プログラミング教育」をフカボリ。その現状に迫り、今後の展望を探る。
プログラミング教育の概要とは。①プログラミング的思考を育む ②コンピューターや情報社会について学ぶ ③各教科での学びをより確実なものとすること。
「プログラミングとは、これからを生きるすべての人たちに必要な基礎教育。つまり読み・書き・プログラミングの時代になった」。プログラミングは現代の基礎教養と語るのは、20年前からNPO法人を設立し、学校外から教育に関わりながらプログラミング教育の必修化などにも尽力してきた石戸奈々子さん。
「仕事、勉強、買い物と私たちの生活すべてをコンピューターが支える時代になり、それらの仕組みはプログラミングによって生まれている。これからの時代、普遍的に求められる力だからこそ必修化された」という。
では、小学校での必修化から2年。現状はどうなっているのだろうか。去年末に実施されたアンケートによると、学校でプログラミング学習をしたことがあるか?の質問に、およそ半数の50.6%の児童が「やっていない」と回答。
また授業を実施する教員たちの意識調査では、多数の教員が「専門性の不足」「指導・授業の難しさ」「教材・資料の不足」を課題としてあげるなど、決して順風満帆な船出ではない。
石戸さんは「始まったばかりのプログラミング教育では失敗を恐れず、未来を見据えて学び続けることが大切だ」とも。読書好きの河本智愛くん(小6)は、必修化が始まる前からプログラミングを学んでいるという。「2年生の時、塾の体験に行きプログラミングを触ったら、自分の思い通りには動かなかったが、最後には成功。その達成感が嬉しかったのでやろうと思った」と振り返る。
ジュニアプログラミング検定Silver(2級)に先日合格。4月からは県内の超難関私立中学に進学する河本くんがプログラミングを学ぶのは、体験を重視した創造体験型学習塾『エデュパーク広島駅前本校(広島市南区大須賀町)』。同校プログラミング教室責任者の一瀬功希さんは「10年前の時点で10年後には学校でプログラミングをやっているという読みで始めて、時代が追い付いてきたなという感じ」と話す。
必修化に先んじて始めた同校のプログラミング教室は、生徒たち一人ひとりの能力別に授業が進められるように、学校とは違い少人数制で行っている。それも決まった課題を進めるのではなく、課題からの派生で自主的に創意工夫するという。また基礎的な事を繰り返すことでより理解を深め、効率的に問題解決できるようにする。
さらに「教室の中だけで完結したら自分の力がどの程度か実際にわからない」ということで、学びの刺激を与えるためにプログラミング大会や様々なイベントも行う。
河本くんの母・友梨さんは「プログラミング教室がなかったら今の息子はなかっただろうなと思う。実際何かの教科に役に立つというより、どういう手段を使ってそこまでいけばいいのかということを段階をふんで考えるとか、人にちゃんと伝える能力とか。自然に身に付いた所はある」と息子の成長を喜ぶ。
河本くんは「将来なりたいのは、職業で言ったら政治家。プログラミングみたいに自分の思い通りの国を作ることができたら結構楽しそう」と、頼もしく語った。
広島ホームテレビ
『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 3月19日放送
ライター 湯谷葉子