カープ絶対的守護神の栗林良吏 新人王として挑む2年目「5つのテーマ」
「2022年の目標は60試合登板」と力強く話すのは、カープの絶対的守護神の栗林良吏(りょうじ)投手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、昨シーズン、セ・リーグ新人王に輝いた栗林投手をフカボリ。クローザーとしての起用が明言された中、迎えたプロ2年目の春季キャンプで掲げた5つのテーマに迫る。
※データはすべて3月5日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
「昨シーズンは9回のポジションを任せてもらい、今年ももう一年守りたい気持ち。また春季キャンプ第1クールの時に、大瀬良(大地)さんや久里(亜蓮)さん、森下(暢仁)と同じグループで練習させてもらえたので、自覚と責任をしっかり持って練習をしている」と言う栗林。オフには第一子が誕生。そのことがハードな練習の癒しにもなっているという。
「自覚と責任をしっかり持って練習をしている」進化が問われるシーズンに向け、栗林は5つのテーマを掲げる。
第1においたテーマは【制球力の向上】だった。昨シーズン53試合に登板し、四球の数(28)は被安打(23)を上回ってしまった。コントロール向上を目指し、オフには下半身強化に取り組んだという。「上半身や指先より下半身を意識することでフォームが安定するので、大きなバラツキが少なくなった」と明かしてくれた。その効果が現れたのが初の対外試合登板となった2月22日のDeNA戦。9球のうちストライクが8球。ゾーンで勝負した中で三者凡退と結果を残した。「ストライク先行で打者と勝負するところを当日のテーマに置いていたので、それができてよかった。次に活かしていきたい」と手ごたえを感じている。
2つ目は【カーブのレベルアップ】。昨シーズンの投球割合を見ると、カーブは10%にも満たない9.7%。さらにカーブでストライクを奪う確率は4球種の中で最も低い57.3%となっている。「昨年はフォークに頼っていた。カーブがある程度、8割ほどストライクを取れるようになればストレートもカーブもフォークもすべてが活きてくると思う」と分析。また、「自分の中では緩いカーブより速いカーブの方がいいと思うので、できるだけ縦に曲がるように意識している」という。同じくDeNA戦でも「左バッターにカーブを投げ、見逃しでストライクを取れたので良い反応だった」と振り返る。
さらなる進化へ5つのテーマを掲げた栗林投手3つ目は【ツーシーム習得への準備】。ストレート、フォーク、カットボール、カーブの4球種が通用しなくなった時に、“奥の手”の勝負球とするために練習をしているという。
4つ目は【回またぎへの対応】。延長12回となった今シーズン。「回またぎをするために制球力をテーマに練習している。四球を減らして1イニングの球数も少なくなれば2イニング投げることができると思う。まずは任された1イニングを全力で抑えて、次もう1イニング行くよと言われたら、もう1回作り直せばいいと考えているので、1イニング1イニング区切って流れで入らないようにしたい」と意気込む。
最後のテーマは【連投への対策】。昨シーズンはチームの方針もあって2連投が最長という形。今キャンプ中は2日連続でブルペンに入るなど、連投への対策を行なっていた。「チームが強かったり良い流れの時には投げる数も増えると思う。流れを崩さないためにも、連投でも必ず結果を出したい、連投できないとなるとリリーフでは使いものにならないと思う」。さらに「1年間戦う事も大事だと思うが、1試合1試合戦うために全力を尽くしたい」と決意を示す。
失敗しない男の2年目が始まる5つのテーマすべてに手応えをつかんだ栗林、2年目のシーズンも“失敗しない男”の活躍が期待できそうだ。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 3月5日放送
ライター 湯谷葉子