カープ主軸候補・林晃汰がレジェンド前田智徳から得たヒント

「バッティングの話を積極的に聞きに来るんですよ。僕は嫌だったが(笑)」。昨シーズン高卒3年目で10本塁打をマークしたカープ将来の4番候補・林晃汰選手が、HOME野球解説の前田智徳さんに沖縄春季キャンプでアドバイスを求めた。“嫌だった”というのはもちろん冗談で、「林くんから相談を受けたので何とか力になりたいなと思って話をした」と後輩へ助言を送った前田さん。2人の打撃談義を紐解く。

練習の合間、前田さんを見つけて駆け寄ってきた林晃汰選手 練習の合間、前田さんを見つけて駆け寄ってきた林晃汰選手

林選手が前田さんにぶつけた疑問は、「打撃時の両足への体重の掛け方」。左打の林選手は左足に体重が残りすぎるため左肩が下がってしまう傾向があったという。答えを求めた21歳の若鯉に前田さんは反対の“右足の癖”を指摘した。「速い球を打ち返そうとすると右足の踏み込みが強くなる」。その結果、右足のつま先が地面から離れ、力が逃げてしまっていた。
指摘を受けた林選手は、「右足も気になる部分だった。ずっと改善しないといけないなと思っていた」と自分でも修正点と理解していたことを明かし、前田さんから提示された練習方法を教えてくれた。「前田さんからは内角高めのストレートを打つ時は普段の歩幅から一歩ぐらい縮まるから内角高めのストレートを打つ意識で練習をするように言われました」。
実際に前田さんの言葉を基に練習に取り組んだ結果、「内角高めを打つ時は歩幅が勝手に縮まっていた。しかも両足のバランス(体重の掛け方)もよくなる」と元々の質問に対する答えにも繋がっていたというのだ。

将来の4番候補と期待のかかる林晃汰選手 将来の4番候補として期待のかかる林晃汰選手

開幕が迫る中、オープン戦ではアピールをしながら打撃フォームの微調整に取り組む林選手。3月6日の西武戦はホームテレビの中継だったため、前田さんは放送席から林選手の打席を解説した。印象的だったのは2-1とカープ1点リードの7回裏。無死二塁のチャンスで迎えた打席。林選手は3ボール1ストライクから真ん中付近の直球を見逃したのだ。前田さんは苦笑いしながら「少し弱気でしたかね。打つ気がなかったのか」と愛のムチ。試合後、林選手に前田さんの言葉を伝えると「やはりそうですか」とこちらも苦笑い。「あれっすね。今日はあそこがすべてです」と反省していた。定位置を確保するためには次回、同じようなシチュエーションで結果が求められるだろう。
前田さんとの年齢差29歳。通算2119安打のレジェンドに勇気を振り絞りアタックし打撃のヒントを得た林選手。今季は真のレギュラーを掴むべく足場を固めるシーズンにしたいところだ。

吉弘 翔 吉弘翔アナウンサー

 

吉弘 翔(広島ホームテレビアナウンサー)

プロフィール:https://www.home-tv.co.jp/ana/yoshihiro/

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