宮島水族館 カキの引っ越しに密着【地球派宣言】
宮島水族館では、カキの生態を知ってもらおうと、11年前から水揚げしてすぐのカキをイカダにつって展示しています。
カキの展示取材に行った日、水族館では、新鮮なカキに取り替えるため、地元の漁協に水揚げを依頼していました。宮島水族館の三浦和伸飼育員は「この時期のカキは、非常に身の入りも多くて、しっかりしたカキなので見応えがある。開館が迫ってきたので、良い状態のカキを見てもらうために依頼しました」とその意図を説明します。
カキの水揚げ宮島沖で水揚げされたカキ。漁協の組合長によると、2年半養殖され、かなり身が大きくなっているそうです。
水揚げされたカキ殻のまわりには海藻や貝などがびっしりと付いています。飼育員の三浦さんは「海藻類やフジツボ類、ホヤ類などがたくさんついてます。カキを見るだけではなくて付着生物も一緒に観察してもらいたい」と話します。
殻に付着した海藻などカキは針金に通されたまま水族館近くの船着き場に下ろされました。いよいよ、カキの引っ越しが始まります。全長およそ8メートルのものが16本。これを水槽の大きさに合うように5.5メートルにカットして運んでいきます。
スタッフがカキを運ぶトラックのクレーンで2階までつり上げ、水族館に搬入。1本ずつゆっくりと水槽の中へ・・・。位置を確認しながら慎重に入れていきます。
水槽に入れられるカキ宮島水族館では半年に一度、展示用のカキを入れ替えていますが、なぜこのタイミングで交換するのでしょうか。
水槽の中のカキ飼育員の三浦さんによると「カキの身が魚に食べられてしまったり、付着物がエサとなって食べられていくので、半年くらいで付着物が全くなくなります。そのタイミングで交換しています」とのこと。
飼育員の三浦さん作業開始から約2時間。16本の針金につるされた約2500個のカキが水槽に入りました。
カキが入った水槽カメラを水槽の中に入れてみると…。警戒していた魚たちが、次々とカキの横を通り抜けていきます。さらに時間がたつと殻に付着したものをウマヅラハギやメバルなどが食べていき殻の表面が真っ白になるそうです。
全国でも珍しいカキイカダを再現した水槽。カキだけでなく、瀬戸内海の日常の姿を見ることができます。