【カープ】レジェンド前田智徳が菊池涼介を直撃!菊池のプロ11年目に踏み込む
今回の広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、HOME野球解説者の前田智徳氏が菊池涼介選手を直撃しフカボリ。積極的に若手とコミュニケーションをとる、プロ11年目の菊池選手の決意に迫る。 ※データはすべて2月26日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
菊池涼介選手佐々岡真司監督から「チームでただ一人のレギュラー」と早々に明言された菊池。カープのキャンプ取材に訪れた前田氏は「菊池がもし故障や不調に陥ってしまうと若手に焦りが出て、追い込まれてくる。健康でシーズンを乗り切ってもらいたい」と、菊池の活躍なくしてチームの浮上はないと睨む。
全体練習の最中、菊池がレジェンド前田氏のインタビューに応じてくれた。口火を切ったのは菊池。「前田さんは、ゴルフ調子がいいみたいで」と、去年11月、日本ミッドアマチュアゴルフ選手権で8位という成績を残した前田氏を称え、前田氏も照れ笑い。カメラ3台が用意され、ともすれば緊張した空気が流れそうな場の雰囲気を和ませた。
前田智徳氏(左) 菊池涼介選手(右)日南キャンプでは投手陣と一緒に坂道ダッシュ。チームメイトと会話する姿が多く見られるなど、個人よりも仲間たちとの連携を大事にする菊池。また毎日全体練習終了後に行われる重点練習で、守備のメニューが課された若手に混じり共に汗を流しており、キャンプインからその姿勢は一貫してブレていない。
個人よりも仲間たちとの連携を大事にする菊池前田氏から「若手と一緒に練習しているのは指導なのか、教育なのか」と聞かれた菊池は、指導というより、新任の小窪哲也内野守備・走塁コーチのサポートをしている感じだという。「去年は本当に小園(海斗)や林(晃洸)にも、まずは自分で感じてもらった方がいいなと思い、“ここはこうだろ、ああだろ”ということは言ってこなかった。その分今年はどんどん言っていくよと彼らには伝えた」と明かす。昨シーズン多くの若手が一軍でプレーしたカープ。菊池以外のスタメン内野手3人(小園・林・羽月隆太郎)がプロ3年目ということがあった。「見えないところでの、ミスではないが、アウトを取れたところで取れなかったりとか。そういう小さいところが失点につながっていることもたくさんあった」と振り返る。
林選手にスローイング指導をする菊池選手アドバイスの多くは基本的なこと。昨シーズン100試合以上で二遊間のコンビを組んだ小園については「余裕がある時にスローイングが緩んでしまう。投げきれていなくて力が抜けてしまうことが目立つので、スローイングを中心に(小窪)晢さんと一緒にやっている」と、冷静に後輩の課題を分析。一人一人と向き合い、培ってきた技術を伝承している。またこの時間は、自身も基本を再認識できる貴重な時間だとも話す。
2012年にドラフト2位でカープに入団して10年。打撃では2016年にセ・リーグ最多安打(181本)のタイトルを獲得。守備では2020年に前人未到・二塁手史上初のシーズン守備率10割。9年連続ゴールデングラブ賞獲得など、輝かしいキャリアを積み上げてきた菊池。しかし「現役選手である以上は満足をすることはほとんどない。まだまだやりたい、やり足りない、できてないところもある」と、進化を求める姿勢を崩すことはない。
進化を求め続ける11年目「まだまだ11年目。あと10年は・・・」と、後10年の現役続行を前田氏から求められた菊池。「あと半分!僕も前田さんが(現役)後半の方、すごく体のケアされている姿が目に焼き付いているので、より多くの時間をそういうところに費やしていきたい。やっぱりフルで試合に出たいから」と意欲を見せる。
菊池が今シーズン達成が期待される記録は、山本浩二氏に並ぶ10年連続10度目のゴールデングラブ賞。過去7人が達成した300犠打まであと4。そして過去130人が達成した1500安打まであと144と迫っている。
「若手をしっかり指導しながら、自らも奮い立たせてチームを勝利に導いてほしい。責任は今のところ重いと思うが、期待している」と前田氏は、菊池にエールをおくる。最後に菊池に今シーズンの目標を聞くと「前田さんも解説される広島ホームテレビの野球中継『勝ちグセ。』(今シーズン17試合予定)で、10回ヒーローになること」をあげた。果たせなかった場合は、自身の実使用のグローブを視聴者プレゼントすることを約束。達成できた場合は以前、前田氏と一緒に廿日市市の宮島を旅したコーナー「前田さんぽ」に再び出演したいと話し、和やかなうちにインタビューを終えた。
「広島ホームテレビの野球中継で、10回ヒーローになること」を目標に(笑)
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 2月26日放送
ライター 湯谷葉子