自覚と責任を胸に勝負の年に臨む カープ新キャプテン野間峻祥選手が目指す理想像
「まったく頭になかったのでビックリした」と驚きを隠しきれないのが、プロ8年目の野間峻祥(たかよし)選手。新野手キャプテンに任命された時の気持ちを聞かれ、そう答えた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、新たな肩書きと共に今シーズンを戦う野間選手をフカボリ。自覚と責任を胸に勝負するこの1年と、野手キャプテンとして目指す理想像を聞いた。
※データはすべて1月29日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
野間峻祥(たかよし)選手
昨シーズン、12年ぶりに復活したキャプテン制。大役を務めた鈴木誠也は、首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得するなど、プレーでチームを引っ張った。しかし鈴木はメジャーリーグへの移籍が濃厚。決して小さくない穴を野間が埋めることになったのだ。
「去年キャプテンの(鈴木)誠也は、日本の4番を打ったり、カープでも中心だったりした選手なのでプレーで引っ張っていけると思うが、僕はまだまだそんな選手ではないと思っている」と戸惑いの表情を見せる。
鈴木誠也選手と談笑する野間選手全く予想外だったというキャプテン就任は、新選手会長でエースの大瀬良と佐々岡真司監督からの指名だった。「今までは先輩方に引っ張ってもらっていた。僕と(大瀬良)大地さんとは1歳しか違わないので、この世代で引っ張らなくてはいけないと思う。その中でなかなか上がってこない僕にチャンスをもらった」と腹をくくる。
ドラフト1位で入団してから7年。規定打席に到達したのは2018年の一度だけと、なかなか殻を破れずにいた。このオフはもう一度自分の体を見つめ直した。去年夏、エキシビションマッチで打率5割をマークし1番に定着するも、9月22日に下半身のコンディション不良で登録抹消。「自分の中で状態が上がってきたなというところでのケガ。自分で防げることのできるケガだったと思う」と振り返り、今さらながら1年間戦う上での準備の大切さを痛感したという。
去年夏、エキシビションマッチで打率5割をマーク不完全燃焼に終わった悔しさと、新キャプテンとしての責任を胸に、8年目のシーズンを戦う野間選手。「まだプロでそういう先頭に立ってやったことはないが、とにかく1年間ガムシャラにやる姿勢だったり、自分のワンプレーに責任を持ったり。そういう面で引っ張るのが一番だと思う」。
理想のキャプテン像は、チーム三連覇の象徴、新井貴浩氏。「あの年齢で帰ってこられて、ワンプレーへの執念というのが見ていてすごいなと思った。そういったところが自分に足らない部分。ブサイクでもいいので意識的に変えていけたらいいと思う」。
偉大な先輩のように全力プレーを誓う野間。しかしキャプテンだからと言って、レギュラーを確約されたわけではない。「(西川)龍馬もいるし、ほぼほぼ僕の中では2枠だと考えている。センターをしっかり守って行けるように、とにかく守備でも走塁でも打つことでもアピールしないといけない立場。そこはガムシャラに、しっかりやっていきたい」。
「三連覇はしているが、日本一になれていない。もう1回リーグ優勝して、日本一になりたい」V奪回を誓う今シーズン。ファンが待ちわびた球春がいよいよやってくる。「練習でもしっかり周りを見ながら、気づいたことは言っていきたいし、率先して元気出して盛り上げていきたい。三連覇はしているが、日本一になれていない。とにかくもう1回リーグ優勝して、日本一になりたい」と、新リーダーは目を輝かせた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 1月29日放送
ライター 湯谷葉子