絶景・瀬戸の絶景に抱かれた癒やしの宿『江田島荘』/広島県江田島市
「恵み多き島」江田島に癒やしの温泉宿が誕生
広島市からフェリーで約30分。瀬戸内で4番目に大きい島、江田島。牡蠣をはじめ、ミカンやレモン、イチジクなどの産地としても有名で、豊かな自然を活かしたサイクリング・カヌー・SUPなどのアクティビティも盛りだくさん。そんな「恵み多き島」といわれる江田島に2020年7月、温泉宿泊施設『江田島荘』がオープンしました。
館内を案内してくれたのは総支配人の阿部さん。全国のホテルの開業や立て直しに携わってきた阿部さんはこの江田島荘のために、家族と江田島に移住しました。
「瀬戸内の景色やのんびりした島の雰囲気が大好きなんです」という阿部さん。訪れる人が「もう一つの我が家」と思いたくなるような温泉宿を目指しているそうです。
そんな阿部さんが3ヶ月以上悩んで決めたというロゴは、菊がモチーフ。実は江田島市の「市の花」が菊なんだそう。菊の花言葉には「元気になる」という意味があり「こころと身体が元気になる温泉宿」をコンセプトにしている江田島荘にぴったりということでこのロゴデザインが選ばれました。
ラグジュアリーな空間で日常をリセット
建物の中に一歩足を踏み入れると、非日常を演出してくれるアートがそこかしこに見られます。例えばこちら、エントランスからラウンジに抜けるスペースの壁一面に設けられた和紙アート。海のゆりかごといわれるアマモをモチーフにした幻想的なデザインが目を引きます。こちらは歌舞伎座の緞帳をつくったり、首相官邸にも作品を納めているという、和紙造形作家の堀木エリ子(ほりき・えりこ)氏の作品。このサイズの和紙を作れるのは日本で彼女だけなんだそう。
ラウンジでひときわ存在感を放つ、全長6メートルの和紙の照明。こちらも堀木エリ子氏の作品。実はこの筒の底部(下)には、あるお酒メーカーのロゴが入っています。ご縁があって実現したそうなんですが、どこのメーカーのロゴなのか、それは現地でぜひお確かめください。(ヒントはある動物です!)
旅時間にどっぷり浸る文化的スペース
ラウンジの奥まったところにはミニライブラリーもあります。ここは広島で人気の本屋さん「READAN DEAT(リーダンディート)」によって選書された本が並んでいます。本は施設内であればどこでも持ち出して読むことができます。また同じスペースにはセーラー万年筆のインク120本とガラスペンや熊野筆の筆ペンが備えられ、旅の思い出をここでしたためられるような、文化的なスペースになっています。
こうしたスペースを設けたことについて阿部さんは、「日々の喧騒を離れて、ここでしか出会えない本と出会ったり、手紙を書いたり、お酒や食事を楽しんだり。ゆっくりと旅時間を楽しんでほしいです」
目の前の海岸で散歩や海水浴を楽しんで
お庭や目の前の海岸へは宿泊客のみ専用キーで自由に出入りすることができます。貸出用の帽子やサンダル、シートなどが用意され、至りつくせり。
庭には眼前に広がる瀬戸内海の景色を眺める足湯スペースも。季節、時間によって刻々と移り変わる景色が疲れた心と体をまったりと癒やしてくれます。
こんなピクニックセットまでありました。(5000円/税込)
気の利いたおつまみとスパークリングワインをセットしたちょっと大人なピクニックセットで、お庭や海岸でピックニックを楽しんで♪ランタンや割れないワイングラスも貸してもらえます。
地元食材をふんだんに使った絶品創作フレンチ
夕食は、フランスで修業経験のある小竹隼也総料理長による創作フレンチをどうぞ。地元でとれる四季折々の食材でつくる創作フレンチコースでお腹も心もしっかり満たして。
朝食は「島のお母さんの朝ごはん」をイメージした和食で。地元の割烹料理屋さんから江田島沖で獲れた魚で作ったお刺身がおすすめだそうです。
広島を訪れた方にはやっぱり地酒を味わってほしい。そんな気持ちから一升瓶が入るようわざわざ特注した日本酒専用セラーがレストラン入り口に鎮座しています。こうやって一升瓶が並んでいる様は圧巻ですね!
長閑な瀬戸の海景色を眺めて過ごす
さて気になるお部屋の方は、32室ある客室すべてがオーシャンビュー。開放的な窓からは牡蠣筏が浮かぶのどかな瀬戸の景色を眺めることができます。
内装はくつろぎの畳敷きのスペースや江田島で120年続く「紙布(しふ)」生産工場で織られた壁紙などシックで落ち着いた雰囲気。(写真は特別室)
総支配人の阿部さんのこだわりはお布団にも。使われているのは石川県の老舗布団店「石田屋」の布団とシーツ。なんでも夜泣きの激しい子どももここの布団で寝たらすぐ眠りに落ちるのだそう。
この布団とシーツが採用されたのには、実は深イイ理由があります。
江田島荘において障害者雇用にも力を入れていた阿部さんは、シーツのクリーニング施設を近所につくって、10人の障害者を採用することにしました。しかし、洗濯はできるけどアイロンがかけられないという問題が発生。その解決のためにアイロン不要のシーツを全国に探し求め、やっと見つけたのがこの石田屋さんの布団とシーツでした。阿部さんの強い想いに共感した石田屋さんが特別に仕入れに応じてくれたそうです。いかにシワなくというのが常識のホテル業界で前代未聞のチャレンジでしたが蓋を開けてみると大好評。利用したお客さんからの問い合わせが殺到し、近々、ホテルの売店でシーツも販売されることになったそうです。
とことんこだわった充実のアメニティ
アメニティも宿泊人数分を別パッケージで用意し、色分けするというこだわりよう。タオルもフルオーガニックIKEUCHI ORGANICのタオルが採用されています。
大浴場と宿泊客専用の2つの半露天貸切風呂を完備
貸切風呂は半露天のオーシャンビュー。家族で瀬戸の景色を独り占めできます。なんて贅沢!
別棟に設けられた大浴場は日帰り入浴施設として宿泊客以外の島内外人に解放されています。
露天風呂、寝湯、ミストサウナなど多様なお風呂を完備。放射能泉としては珍しい約30℃もある貴重な源泉を加温・加水しない源泉掛け流しの「ぬる湯」が自慢だそう。
そして実はこの大浴場、夜になるとバーに変身。なんて素敵な演出でしょう!バーテンダー歴50年のベテランバーテンダーが夜な夜な美味しいお酒を振舞ってくれるのだとか。近所だったら毎晩通ってしまいそうです。
笑顔のおもてなしで最高の旅をお手伝い
宿の魅力をいろいろご紹介してきましたが、江田島荘の魅力はなんといっても「人」。江田島荘で働いているのは、江田島で生まれ育った人や移住してきた人、江田島の魅力を発信したい人、江田島のために何かをしたい人。とにかく「江田島」をキーワードに集まったという、18歳から78歳まで総勢46名のスタッフ。
阿部さんが彼らに伝えているのは「愛のあるおもてなしをしてください」ということだけ。マニュアルにとらわれすぎないスタッフのアットホームな接客はお客様にも喜ばれているそう。
ホスピタリティが隅々まで行き渡った、とても心地いい温泉宿。あなたの旅の選択肢にぜひ加えてみてください。
江田島荘
住所/広島県江田島市能美町中町4718
電話/0823-27-7755
IN15:00~19:00/OUT〜11:00まで
https://etajimasou.jp/
感染症対策を行っています。
・アルコール消毒
・入店時の検温実施
・客席の間隔をあける
・店内の換気
・マスク着用
瀬戸内Finderフォトライター イソナガ アキコ
▼記事提供元
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。