若き大砲・カープ林晃汰 飛躍のカギと来シーズンにかける思い

「来年からはHRをたくさん打っていかないといけない。全然まだまだだが、そこは意識して確実にしっかり打っていきたいと思う」。早くも4番打者候補の自覚が芽生えるのは、プロ3年目の林晃汰(はやし こうた)選手。

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、左の長距離砲としてチームに欠かせない存在となった林選手をフカボリ。飛躍の一年となった今シーズンと来シーズンにかける思いを聞いた。

※データはすべて11月20日O.A.時現在 ※以下、敬称略

林晃汰(はやし こうた)選手 林晃汰(はやし こうた)選手

 

102試合に出場し安打95・打点40・HR10・打率.266と、プロ3年目の今シーズンは全ての数字がキャリアハイ。球団では2012年の堂林翔太以来、左打者では前田智徳氏以来となる高卒3年目での二桁HRを記録した林。

 

コロナウイルス感染で主力が相次いで離脱。代役として呼ばれたのが一軍昇格のきっかけだが、そのチャンスを逃さず主力復帰後も二軍に落ちることなく結果を残し続けた。中でも記憶に残る一打が、6月5日の楽天戦。田中将大から苦手だったはずのインコース高めの球を打てたこと。「少し甘かったが球界を代表するすごいピッチャーから打てたので自信にもなった」と振り返る。

 

その後も打ち続けた林は、6月の月間打率.344をマーク。「今まではHRや、いいヒットを打ちたいという気持ちが強かったが、そこを追い込まれた時に求めるのではなく、とりあえず粘っていくという気持ちが出てきたので、それが良かったのかなと思う」。

今季飛躍を遂げた林選手 今季飛躍を遂げた林選手

 

しかしこのまま順調にいくかと思われた夏場。林のバットから快音が消え、7月以降は不振の日々が続く。「あの時期は自分が思っている感覚のずれをうまく修正できず本当にしんどかった。何か変えようと1回また原点に戻ってやった結果、ちょっと調子が良くなった」と明かす。原点回帰で調子を取り戻した林。9月には再び月間打率3割を記録したが、「後半戦は納得のいくバッティングは少なかった」と手応えをあまり感じていなかったという。

 

試合に出続けたことで得た課題に、いま秋季練習で取り組んでいる。「疲れてきた時に体がうまく使えなかったりした」と言い、思い切り体をいじめて来シーズンに備える。

「長打を打って、HRも打って、クリーンナップを打てるような選手になりたい」 「長打を打って、HRも打って、クリーンナップを打てるような選手になりたい」

そしてもう一つは左投手の攻略。林が放った10本のHRはすべて右投手から。左投手との対戦成績も.237と、右投手.280より苦戦している。「前まで右肩がかぶっていたので左投手の球だったりがあまり見えなかったが、今は開き気味に構えて打つ感じなので、ちょっとは見えやすくなってきたかなと思う。ここから力をどう伝えるかということを考えてやっている」。

 

真のレギュラーになるためにには、左右関係なくコンスタントに成績を残すことが必須。「長打を打って、HRも打って、クリーンナップを打てるような選手になりたい。来年はしっかりレギュラーに定着できるようにがんばる」と決意を示す林。若い力が躍動した今シーズン。悔しさをバネにカープの逆襲には林の活躍が欠かせない。

 

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 11月20日放送

ライター 湯谷葉子

LINE はてブ Pocket