【カープ】期待の星☆ルーキー森下暢仁投手の今後の課題
「数字?数字…」。
しばらく悩んだ末に「できれば二桁勝てればいいなと思う」と、はにかむのは、ドラフト1位ルーキーの森下 暢仁(まさと)投手。初めて挑むプロのシーズンで目標とする数字を聞かれてそう答えた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、ファンの期待を一身に受けてマウンドに立つルーキー森下投手をフカボリ。前評判にたがわぬ活躍でルーキーながらカープの先発ローテーションを支える森下投手の今後の課題を探った。
※以下データはすべて8月1日O.A.時現在
待ちに待ったプロ初先発は、6月21日のDeNA戦。ルーキーながら堂々たるピッチングで7回を投げ無失点。DeNA打線を牛耳る衝撃のデビューを飾った。
続く2度目の先発となる6月28日の中日戦はスコアボードにゼロが並び、プロ初失点を喫したのがなんと16イニング目。この試合で見事プロ初勝利をつかんだ。
ルーキーイヤーで開幕が3ヶ月遅れる異例のシーズン。コンディション不良で一度ローテーションを飛ばしたものの、ここまで2勝2敗、防御率2.56と、先発として抜群の安定感を見せている森下投手。プロで勝っていくために必要だと感じていることがある。
ここまでの成績で際立っているのが奪三振力。1試合9回を投げた場合にいくつ三振を奪うかの指標=奪三振率は9.95と10に迫る。奪三振は35。
しかし、三振を奪う中で意識している事を聞くと「2ストライクと追い込んだら取れればいいなと思うが、三振を取ることによって球数が増えることがある。三振よりは打ち損じて欲しいという気持ちでやっている」と意外な答えが返ってきた。
プロ初の二桁三振10を奪った7月23日の阪神戦でも6回120球を要し、確かに奪三振率が高い反動か、球数が多くなる傾向がある。長いイニングを投げるためにも球数を減らしていくピッチングが今後の課題となりそうだ。
さらには「インコースにしっかり投げ切れないと他の球がいきてこない。インコースで空振りが取れている時や、インコースにしっかり攻めきれているボールは自分の中でいいと思う」と、インコースの重要性をあげる。首位巨人を相手にした7月31日の試合では、コントロールに苦しみながらも果敢にインコースを攻める姿をみせた。
コンディション不良で抹消されたエース大瀬良大地投手に代わり、カード頭の先発を任されたルーキー森下投手。投げるたびに成長を遂げる森下投手の右腕には、ファンの大きな期待が詰まっている。
「やっぱり勝つことが大事。いろんな経験をすることがあると思うが、チームが勝つということを考えて自分も勝ち投手になっていけたらいいと思う」。
先発ローテーションを支えて長いシーズンを戦い抜く覚悟を見せるルーキーは頼もしい限りだ。
広島ホームテレビ
『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00)8月1日放送
ライター 湯谷葉子